先日、私の刑事ドラマ好きのエピソードを開陳した。オープニング映像で、各刑事のプロフィールが紹介される止め絵のシンクロに、映像の醍醐味を感じていたという話である。私のようなニュー・ウェーヴ世代というのは、思春期のMTV登場時の衝撃的な体験もあり、映像と音楽の融合といったテーマにひとかたならぬ感心を持つ者が多い。最近だと、VJ(ヴィデオ・ジョッキー)なる新職業が現れて、クラブ系のアーティストの映像サポートで活躍しているのを知っているが、私が陶酔しているのは単なるフリッカーとリズムのシンクロではなく、もっと“物語的”なものだ。クロード・ルルーシュ『男と女』とか、リチャード・レスターのコメディみたいな、絵コンテできっちり演出されたシンクロ映像。ミーハーで申し訳ないが、デヴィッド・フィンチャーも大好きだし、初期の黎明期のMTV監督として一時代を気付いた、スティーヴ・バロンの監督第一作『エレクトリック