前回の記事では、所得税や住民税の違いについて着目したが、社会保険料に着目すると、片働きの世帯A(夫が年収1000万円、妻が専業主婦)と共働きの世帯B(夫婦とも年収500万円)のいずれも、世帯で145万円と全く同じになっている。 これは、社会保険料は給与や賞与に対して同じ割合で徴収されているためである(※)。 (※)厳密には、健康保険料は勤務先の都道府県や加入する健康保険組合などにより若干保険料率が異なる。試算では協会けんぽにおける全国平均値を用いている。また、社会保険料(と年金の給付額)には上限があるが、個人単位の年収が1,000万円程度までであれば、保険料が年収に対しほぼ同率で課されるものといえる。 社会保険料のうち、厚生年金保険料は、2017年9月以後、18.3%で固定され、これを労使折半で負担するので従業員の負担分は9.15%である。 このため、片働きの世帯Aでは夫の年収1000万円