悲劇は繰り返される。1月14日、JR京浜東北線・蕨駅のホームから視覚障害のある男性が転落、進入してきた電車にはねられて死亡した。昨年8月には東京メトロ銀座線・青山一丁目で、10月には近鉄大阪線・河内国分駅で同様の事故が起きている。今回の事故がいたたまれないのは、事故は防げる可能性があったということだ。 そもそも青山一丁目の転落事故を契機に、国土交通省は再発防止に向けた検討会を8月26日に開催している。JRや大手私鉄、地下鉄など16事業者、2団体の安全担当者らが出席し、対策会議の立ち上がりとしてはスピーディだった。 国交省は声がけ要請に消極姿勢 ただ、会議では何の対策も出なかった。ホームドア設置前倒しの可能性や、駅員による視覚障害者への声がけなど「心のバリアフリー」の推進について2016年内に取りまとめを行なうという方向性が確認されたのみにとどまった。 ホームドア設置前倒しといっても、2~3