(英エコノミスト誌 2011年5月21日号) 日本経済は、予想以上のスピードで震災から回復している。もっと幅広い改革も早急に実現できるだろうか? 津波に襲われた宮城県の村井嘉浩知事は5月13日、東北沿岸部でも有数の豊かな漁場を長く支配してきた漁業協同組合の幹部たちから怒りに満ちた陳情を受けた。彼らのスローガンは「漁師のサラリーマン化は許せない」というものだ。 彼らは、打ち砕かれた生活手段を立て直すための資金と引き換えに、宮城の海で民間企業が漁をするのを認めるべきだという知事の提案に反発していた。 元パイロットの村井知事は、漁師の多くが60歳を超えており、どのみち漁業は絶滅の危機に瀕しているとして、彼らの抵抗にも怯むことはなかった。 村井知事は後に本誌(英エコノミスト)に対して、宮城県の海岸地域の規制緩和は日本全体の改革のモデルになるはずだと語った。「大きな変革がある時は、常に痛みがあるもの