2013年3月29日金曜日 追憶311 311は、様々なものをこの国から奪っていった。だがしかし、毎年数千人が死亡する交通事故に加え、さらに数万人が自殺するこの国で、なぜ311だけが特別視されるのか。毎日のように、家で、病院で、ラブホテルで、路上で、ドブの中で、ありとあらゆる場所でひとが死んでいく、この死亡率100%の人生において、なぜその日付だけが特例として語られなければならないのか、そう問わなければならない気がしていた。自然災害によって死ぬことは、普段私たちの生活でどこかの誰かが死ぬことと、いったい何が違うのか? むろん何も違わないと言わねばならなかった。違ったのは、それが人災だったからである。それは夢の終わりだったからである。あの日死んだもの、それは日本という国の過去と未来にほかならなかった。 原発事故は、私たち国民から、生きるために必要なすべての誇りを奪っていった。日本人がもっと