たとえば、あなたが駅のホームで、本に目を落としながら電車を待っていたとします。 「すみません」 背後から声をかけられ、顔をあげると、知らない男性が、「実はそれを書いた人は僕の友人で、もしその人に会いたいのだったら、僕がつないであげますよ」と、名刺を差し出してくる。 「よかったら僕にメールをください」 男性は、あなたが本にいっぱい付箋を貼ってあるのを目で示しています。さて、あなたなら、彼にメールをしますか? 本書の著者、小山薫堂さんは、「料理の鉄人」などを手がけてきた放送作家で、最近だと映画「おくりびと」の脚本を書いたり、東北芸術工科大学の学科長を務めたり、企業のコンサルティングやPRの仕事をしたり、と大忙し。『考えないヒント』など著書も多い。 そういう、人がたくさん集まってくる人の頭の中はどうなっているのか。本書は、パカッと開いて見せている。 〈僕は常々、打ち合わせ相手に「うちに来てくださ
![「いい人」になれるチャンスを逃がすなんて…~『もったいない主義』 小山 薫堂著(評者:朝山 実):日経ビジネスオンライン](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/05f492a9ba706b05ca8fd61b1840b099fb59fdc9/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fbusiness.nikkeibp.co.jp%2Fimages%2Fn%2Fnbo%2F2011%2Fcommon%2Fnbologo_ogimage.png)