いろはの「い」から ――『明治の表象空間』は、A5判・七〇〇ページ超と、松浦さんの中で最も長大な本となりました。「新潮」連載は二〇〇六―一〇年の五年間(全五十回)でしたが、構想はいつごろからあったのでしょうか。 松浦 一九九五年に『エッフェル塔試論』と『折口信夫論』を出しました。別々の出版社から刊行した二冊なのですが、たしか見本が出来てくるのがほんの一日違いだったのを覚えています。意図したわけではなくまったくの偶然ですが、ほぼ完全な同時刊行ということになりました。この二冊は、一方は十九世紀フランス文化史、他方は日本の歌人・民俗学者の言説分析と、まったく異なる主題を扱っています。両者を目の前に置いて、さて、ではこの二つの異質な仕事の間にどういうかたちで橋を架けたらいいのか、といったことは当然、考えますよね。そういうこともこの本の構想の端緒にあったような気がします。 それから、それとはちょっと
2014年5月24・25日に日本記号学会の第34回大会が東京大学駒場キャンパスにて行なわれた。特集は「ハイブリッド・リーディング――紙と電子の融合がもたらす〈新しい文字学〉の地平」。日本のブックデザインを牽引してきた杉浦康平、デリダ『グラマトロジーについて』の韓国語訳者で有名なキム・ソンド、フランスの哲学者であるベルナール・スティグレールなど、豪華なゲストを迎えて、デジタル時代の読み/書きの変容をふくめた新たな文字学=グラマトロジー(grammatologie)の展開を多角的に問い直す意欲的な企画である。大会進行の断片的なメモはここにまとめてみた。 記憶の外在化 とりわけ、私にとって一番の取っ掛りになったのは、ベルナール・スティグレールが登壇するということだった。『技術と時間』や『象徴の貧困』など日本でも多数の翻訳があるスティグレールは、かつて銀行強盗をして投獄され、獄中で哲学を勉強し、そ
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世の中には、やたらとバランスをとりたがる人がいる。 食べるものや時間の使い方について、偏ることを嫌い、常にすべてをちょっとずつ盛り込もうとする。得意科目と不得意科目があると、不得意科目の克服に時間をかけ、全科目、バランス良くできるようになろうとする。 でもあたしは、「バランスとるなんてロクなことないよね。そんなもん気にせず、どんどん偏った方がいいよ」って思ってます。 不得意科目なんて切り捨てて、得意なコト、大好きなコトに集中的に人生の時間を振り向けたほうが、よほど豊かだろうと思ってる。 他にもたとえば、 毎日、朝 9時から 6時まで働き、夕方以降と土日は、個人の時間としてきちんと確保する。夏休みと年末はそれぞれ一週間の休暇を取る より、 毎日、夜中まで働き、土日も仕事で潰れることもある。でも、1年に 1ヶ月は休みを取り、海外を回って長期休暇を楽しむ! の方が圧倒的に好きだし、実際にそういう
橘玲の『「読まなくてもいい本」の読書案内』を読んだので、感想とメモをまとめておく。 この本、タイトルは『「読まなくてもいい本」の読書案内』だが、実際には「読まなくていい本」はほとんど紹介されていない。紹介されているのは、当たり前の話かもしれないが読むべき本だ。他の読書案内本と異なっているのは、”こういう本は読まなくて良い”と、ばっさり切り捨てているところ。読むべきか・読まなくてもよいかの基準は、20世紀後半に爆発的に進歩した科学研究の成果に置いている。著者は、この時期に起きた科学研究の大幅な進歩を”知のビッグバン”、”知のパラダイム転換”と呼び、これ以前に書かれた本は(とりあえず)読む必要がないと言い切る。古いパラダイムで書かれた本は捨てて、新しいパラダイムで書かれた本を読もうという話だ。ちょっと乱暴な分け方ではあるが、1980年代に大学生だった私には案外納得できるものだった。学生時代に最
東京・渋谷駅一帯の再開発事業で解体工事が進む東急百貨店東横店東館。老舗が軒を連ねた1階「東横のれん街」の天井板をはがすと美しいアーチ型天井が現れた。かつて路面電車「玉川電気鉄道(通称・玉電〈たまでん〉)」が走っていた名残とみられる。東急関係者も「渋谷発展の歴史を刻む建造物の一部だ」と驚いている。 1934(昭和9)年に開業した東館は昨年3月に閉店し、解体工事中だ。昨秋に「のれん街」と現在も営業中の東急東横店西館をつなぐ通路の天井板をはがすと、地上からの高さ約6メートルのところにアーチ型天井が姿を見せた。 東急広報部によると、37(昭和12)年まで玉電は東横店の1階部分を通り抜けていた。「アーチ型天井の下を玉電が行き交っていたのではないか」
Evernoteに保存してあるノートは、一度だけの使い切りばかりではありません。むしろ、何度も何度も読み返したい物のほうが多いかと思います。 また、その中でも「これは勉強になった!定期的に読みたいな」とか「何度も読み返して身につけていきたい」なんて物もあるでしょう。私の場合は考え方系のウェブ記事に多いケースです。 そんな時、リマインダーを使うのも一つの手だと思います。ですが私は「☆」や「→」を使って、保存した記事の価値を評価しています。 自分にとって価値のあるノートには「☆」 自分が保存したノートの価値を表現する方法として、「☆」は非常に有効的です。 例えば。「Macでオススメのアプリまとめ」と言う主旨のブログ記事は星の数ほどありますよね。でも「その中でもこの記事は本当に役に立つ。Evernoteのノートブックの中に埋もれさせるには勿体無い」と思うほどの記事もあるでしょう。 そんな時には、
Business Insider:社会人になりたての頃は特に、うまく時間管理ができずに頭を悩ませることが多いでしょう。がんばって仕事をしているつもりでも、複数の仕事に同時に手をつけたり、優先度の低い仕事に時間をかけすぎてしまうなどして、時間を無駄にしてしまうことがあります。 モントリオールを拠点にデザイナーとして活動しているEtienne Garbugli氏もまた、時間管理の方法について悩んでいました。ですが、時間を有効に使い、効率的に仕事をする方法を少しずつ学んでいきました。彼は現在、コンサルタント・起業家であり、自身の著書『Lean B2B: Build Products Businesses Want』を最近発表しました。 昨年、彼はSlideShare上で、彼自身が気に入っている26の時間管理術、「20歳のときに知っておきたかった、26の時間管理術」をまとめました。そのプレゼンテー
「Boomerang」は、魔法のようなGmailプラグイン。メールの予約送信、一時的に隠す(スヌーズボタンのようなもの)など、メールにまつわる悩みごとを解決してくれる便利機能が満載です。著名人の仕事術を紹介する「How I Work」シリーズでも、数々のCEO、編集者、起業家らが、欠かせないツールとしてBoomerangを挙げています。 有名アプリの誕生にまつわる逸話を紹介する「Behind the App」シリーズ、今回はBaydinのCEOであるアレキサンダー・ムーア(Alexander Moore)氏に、アプリの開発秘話と今後の展望を聴きました。 ── Boomerangのアイデアは何がきっかけで生まれたのでしょうか。あなた自身が直面していた問題の解決策としてなのか、それとも別のきっかけがあったのですか? ムーア:ほとんどのアプリがそうであるように、Boomerangのアイデアは、個
プロセス = process というラテン語源を辿ると、「前進」を意味する procedo という動詞に行き着きます。同源の英語でproceed(プロシード)というと、同じく進む、開始するということを意味し、procedure(プロシージャー)は手続き、手順を意味します。 他者と創作のプロセスを共有するということは、自分の「進み方」を開示することを意味します。そしてプロセスとは動的な流れではなくても、静的な結果においても宿ります。なにかを形作ることには必ず時間が介在し、「進み方」のテンポやリズム、そしてパターンが表層に表れるからです。文章でいえば句読点の打ち方、段落の区切り方、前のフレーズとの意味的な接合、そうしたパターンを読み進めるなかで、書き手の思考に沿う様な感覚を抱くでしょう。 そして、逐次的に、はじめからおわりまで読み進めるというように、読書行為そのものが時間の流れを持つことで、固
新しいアイデアを考えなければならないのに、1時間経っても、2時間経っても、数時間経っても、全然思いつかない...。そんな時は一体どうすればいいのでしょう? 創造性はどこからやって来るのか? 90年代に「あなたは右脳派か、それとも左脳派か?」というような説が広まったのを覚えているでしょうか。この説によると、右脳派の人はクリエイティブでアーティストタイプ、左脳派の人は論理的で分析タイプと言われていました。しかし、クリエイティブな仕事をするというのは、そういうことではありません。 創造性は、どこか1つの場所から湧いてくるようなものではなく、研究者いわく「ハブ」のようなものだそうです。この創造性のハブは、脳の他の領域ともかなり密接につながっており、頭の中のネットワークでより速く、より広域に情報を広めます。 何かを創造しようとする時は、上の図にある「Default Mode Network(初期モー
ラノベやばい はい、いきなりはじまりましたが、一応ラノベ業界人です。エロゲ業界にもちょっと関わってたり知り合いが多かったりもします。 で、どうやばいのかというと、何がヒットするのか完全に手探りすぎてやばい。 それでも面白けりゃヒットすんだろ。だなんて仰られる方ももいらっしゃるでしょうが、面白いのにヒットしない作品もゴロゴロしててやばい。 何年か前、プロ野球史に名前を残したある大打者が、その年打撃好調だった若手に対して、「打ててる根拠がない」と苦言を呈したのと同じで、いまヒットしてるラノベの大半が、「売れている根拠がない」状態でよくわからないまま数字を伸ばしている。 もっともらしいヒット要因を挙げようと思えば挙げられはするけど、それってヒットしなかった作品にもあてはまるからややこしい。 近年のラノベ業界は、完全な手探り状態が続いている。 流行らしい流行が存在しなくなって久しい。 学園ラブコメ
アルゴリズムアートにチャレンジしてみました。 こちらでご覧いただけます モンドリアンの有名な絵を描くというもの。以下はアルゴリズムで描いた1枚です。 毎秒1枚ずつ描くのを眺めていると、ときどきこうしたいい感じのが出てきます。 アルゴリズムの説明は割愛します。ソースコードを置いておきます。 Chiral’s gist コーディングにはProcessingという言語を使っています。この言語は、メディアアートに特化したJavaのサブセット言語のような感じのもので、言語仕様が簡単で色んな処理系が実装されています。Processing.jsはjavascriptによる処理系で、Webブラウザ上でProcessingのコードを動かす事が出来ます。 processing.js公式サイト アドファイブ社のホームページを作っていて、フリーの良い素材がないのでアルゴリズムアートで色々作ろうかと思い立って作って
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