「長く抽出しすぎるとまずくなる」、「おいしい成分は最初にすべて出てしまう」…… 巷にはコーヒーの「おいしい淹れ方」の解説があふれていますが、淹れ方によって味が変わる、その本当の理由をご存じでしょうか? 今日は「コーヒーの日」にちなんで、抽出方法とコーヒーの味の関係を科学的に徹底的に解説します。(本文はブルーバックス『コーヒーの科学』より) コーヒーの入れ方は大きく分けると二種類 コーヒーの抽出法はさまざまですが、その基本原理から二つのタイプに大別されます。一つは、コーヒー粉と抽出に使う水を一度に混ぜるタイプ、もう一つはコーヒー粉で層を作り、そこに水を通過させるタイプです(図1)。 前者は「浸漬(しんせき・しんし)抽出」と呼ばれ、直接火にかけて加熱しながら煮出すものと、水やお湯に漬けるだけのものに細別する場合もありますが、抽出原理そのものは同じです。コーヒーサイフォンやプレス式、ターキッシュ
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