「もうすぐナスが入るよ」。春キャベツ、新ジャガ、ズッキーニ。ここは千葉市内の商店街にある「中島書店」。れっきとした書店に、朝採れたての野菜が南房総の館山から届く。 昨年1月、店の奥のコミック売り場をずらして常設の野菜直売所を作った。そばの棚には「ニンジンの奇跡」「とれたて野菜レシピ」といった食や料理に関連する本を並べている。 きっかけは近くの定食屋だった。中島浩社長が野菜の濃い味を気に入り、自宅でも宅配の利用を始めた。「あまりにもおいしいので、お客さんにも知ってほしい」と店で置くことに。 館山から週5日、野菜を届けるのは「クリーンライフカントリー」の浜崎光雄さん夫妻。「面白いシチュエーションだけど本とは関連ないかな」という浜崎さんの予想は良い方へ裏切られた。「本を見ているお客さんも、実はこっちの話に耳を傾けているんですよ」 「おいしく食べるには」「レシピならこの本が」と女性たちの野菜談議は