「政治屋」と嘲笑された私の話を聞いてくれた演説中もその後も、「カンパ箱」の前には行列ができる。ある参加者は「頑張ってじゃなくありがとうと声をかけたい」と話した。山本氏はAさんの言葉にじっと耳を傾けた。特に山本氏の目の色が変わったのが、Aさんがパートナーの「治験」(薬などの安全性を人でテストすること)の話をしたときだ。 パートナーの男性も大学院生で博士課程在学中。研究の助成金で月約20万円の所得があるが、そこから社会保険料、奨学金の返済、学費などを引くと自由に使えるお金は月4万5000円しかない。学費や生活費を稼ぐため、学部生・修士課程時代は報酬の良い治験のアルバイトをしていたという。 この話を聞いた山本氏は、「後日詳しく話を聞かせて欲しい」と反応した。 寄付の受付用紙に記入する人たち。100円玉数枚から数千円までその金額はさまざまだ。「教授たちに(生活が苦しいことを)話しても『まるで政治屋