一度確立したビジネスモデルを革新するようなアイデアを実現することは非常に難しい。しかしビジネスの環境が大きく変わる中、同じビジネスモデルが通用し続ける保証もない。どのようにビジネスモデルを進化させていくべきなのか。エプソンの事例から、そのヒントを学ぼう。(早稲田大学ビジネススクール教授 山田英夫) 強固なビジネスモデルを持つ企業が、それを自ら崩すような事業に参入できるだろうか。これは、古くて新しい“永遠の課題”である。セイコーエプソン(以下エプソン)は、プリンター事業で強固な「ジレット・モデル」を構築してきた。本体のプリンターは廉価に販売し、消耗品であるインクカートリッジで儲けるモデルである。全色揃ったインクは5000円を超え、4回程買い替えれば、本体が買えてしまう。 しかしエプソンは2016年、日本で2年分のインクが入った大容量インクタンクプリンターを発売した。同製品は、本体価格は高いが

