米国で、「雇用保証」の提案が注目を集めている。「働きたくても仕事が見つからないすべての人に対し、連邦政府が雇用を保証する」という大胆な提案だ。2020年の大統領選挙への出馬を目指す民主党の政治家たちが続々と支持を表明している背景には、共和党のドナルド・トランプ大統領への巻き返しを目指す民主党の思惑がある。 「すべての働く意欲がある人は働き先を見つけられるべきであり、わたしたちは社会として雇用の尊厳を尊重すべきだ」と述べる民主党のコリー・ブッカー上院議員は、米国でにわかに注目が集まっている新たな経済政策を正式な法案として提案した人物で、2020年の大統領選挙への出馬が有力視されている。 ニュージャージー州選出の同議員は、ウォール街の金融業界との主張の近さが指摘されるなど、どちらかといえば中道派の議員。そのブッカー議員が、連邦政府の規模を一気に1.5倍に拡大するようなリベラルな提案を行っている