哲学者と子どもたちによる資本主義の改革は実現可能か? マルクス・ガブリエル『倫理資本主義の時代』書評 by 斎藤幸平 世界的哲学者、マルクス・ガブリエルによる初の「日本書き下ろし」となる著作、『倫理資本主義の時代』(斎藤幸平[監修]土方奈美[訳]、ハヤカワ新書)。刊行直後から各書店でベストセラーとなり、話題を呼んでいます。 「エコ・ソーシャル・リベラリズム」や「最高哲学責任者(CPO)」、「新実在論」などのキーワードが頻出する本書の読みどころは、いったいどこにあるのか? 現代社会が抱える問題に対して、本書はどのような回答を提示しているのか? 本記事では、本書の翻訳監修をつとめた斎藤幸平(東京大学大学院総合文化研究科准教授)さんによる書評を公開します。 マルクス・ガブリエルが掲げる「倫理資本主義」と、斎藤氏が標榜する「脱成長コミュニズム」は、どちらがより今の世界に求められているのか。本書が刊