「どんなに勉強しても、努力しても、うまくいかず、挫折感を覚えてしまいます」 厳しい受験競争や就職活動にさらされている、韓国の若者たち。さらに、高い失業率やマンション価格の高騰などで、若者たちの中で不満が一層高まっています。 こうした中、36歳のひとりの男性が、一躍、若者たちから脚光を浴びています。 (ソウル支局記者 佐々一渡) 「普通の感覚が通じ、公正な世の中で、すべての国民が幸せでいられるというのが、私の素朴な夢でした」 こう話すのは、ソウル近郊の大学に通うキム・ウジュさん(22)です。 一方、韓国には、激しい受験競争を勝ち抜いても、希望した大企業に就職できない「超競争社会」とも言えるような現状があります。このため、近年の韓国における若年層の失業率は10%近くと、高止まりを続け、全体の失業率を大きく上回り、慢性的な就職難が社会問題とされています。 4年前の大統領選挙、こうした不満を抱えた