7月中旬から全レアアースの相場が急騰するだけでなく、現物そのものが入手困難な状態が続いている。7月8日に中国・商務部から発表された2010年下半期のレアアース輸出枠は前年同期比40%減の7976トンという急激な枠制限が成されたことが発火点となった。 日本の自動車、家電、環境産業に中国のレアアースは深く関わっており、影響はきわめて甚大かつ深刻。今年11月にまた来年のEL(輸出許可)枠が発表されるが、中国はさらに輸出を絞りこむことが予想され、かつてない危機を迎えている。今こそトップが動いての資源外交を展開すべきだが、この国の政治家にはそういった発想は全くないようだ。また、今更ながらレアアースの備蓄をひそかにでも進めておくべきだった、との声も業界内からうめき声のように漏れ出ているが、とかく資源政策に無知で後手後手に回ってきた日本国の過ちがここでも露呈されることになっている。 CHAPTER.