産業技術総合研究所(産総研)は8月31日に、光で光の位相を制御できるまったく新しい原理の超高速全光素子を開発、これを用いた干渉計型の光スイッチモジュールを開発して、160Gb/sの超高速光信号の10Gb/sへの時分割多重分離動作(DEMUX動作)に成功したことを発表した。 通信ネットワークの分野では、大容量化・超高速化が現在進んでいるが、100Gb/s以上の超高速信号を処理できる電子回路が無いため、光信号を電気信号に変換せず、光の領域で多重化する光時分割多重(OTDM)方式が必要であり、光で光を制御できる超高速の光スイッチの実現が期待されていた。 こうした背景から産総研では、InGaAs/AlAs/AlAsSbの半導体材料系を用いた超薄膜量子井戸に見られるサブバンド間遷移(ISBT)という現象を利用した超高速の全光スイッチング素子の開発を進めてきた。このなかで、光による位相変調効果という新