「野菜って健康に良いと思いますよね。でも、それは昔の話。今の日本の野菜は、食べ過ぎるとかえって健康に悪影響を与えるかもしれませんよ」 取材は、そんなショッキングな話から始まった。 日本の「農地」が100年前と大きく変わってしまったのが「野菜の栄養不足」を招いてしまったのだという。 農地を微生物で改良する研究を実用化させた立命館大学生命科学部・久保幹教授へのインタビューをお届けする。 (立命館大学理系スペシャルサイト「TANQ」より転載) 「日本の野菜は栄養不足」って本当? この100年で日本農業は何が変わったのだろうか。久保教授は語る。 「約100年前までは、日本の農家はどこも微生物がいっぱいいる農地で野菜や米を作っていたのです」 土壌の中にいる微生物は、牛肥や鶏糞、大豆を搾った油かすなどの有機物を分解して、リンや窒素などの無機物に変えた。植物はその無機物を吸収し、光合成を行うことで成長す