政府が陸海空自衛隊の一体的運用を進めるために新設する常設の「統合司令部」について、令和5年度の創設は見送られることが29日、分かった。来年度の当初予算案に関連経費が計上されなかった。複数の政府関係者が明らかにした。防衛省・自衛隊内部には統合司令部の設置場所を巡る意見の対立もあり、6年度中の創設を目指して慎重に調整を進める方針だ。 政府は16日に閣議決定した新たな「安保3文書」に、常設の統合司令部を「速やかに創設する」と明記した。3文書に盛り込んだ「反撃能力(敵基地攻撃能力)」の運用には、攻撃目標などに関する日米間の調整が必要となるため、統合司令部の創設により連携を強化する狙いもある。 現在は、制服組トップの統合幕僚長が防衛相への軍事的助言を行うと同時に作戦指揮を統括し、統合幕僚監部(統幕)が統幕長を支える。新たな体制では、自衛隊全体の作戦指揮を執る「統合司令官」を新設し、政治への対応は引き