1月某日、ノンフィクション作家・高野秀行さんのひとつのSNS投稿が読書好き界隈に渦を巻き起こした。「すごい小説を読んでしまった」――。純粋な読書感想投稿が45万インプレッションに達した、その本こそ『化学の授業をはじめます。』(ボニー・ガルマス著、鈴木美朋訳、文藝春秋)。この小説のなにがそれほどすごいのか。高野さんに改めてその魅力を記してもらった。 すでに2024年ベスト本有力候補! すごい小説を読んでしまった。ボニー・ガルマス著『化学の授業をはじめます。』(鈴木美朋訳、文藝春秋)。かぎりなく悲痛でありながら、かぎりなく愉快&痛快。「本物のエンターテインメントには本物の魂が宿る」という真理を再認識した。 pic.twitter.com/K7CPcXN6tz — 高野秀行 (@daruma1021) January 21, 2024