東京都議選をめぐり、共産党の立候補予定者二人が相次いで出馬を断念、候補が差し替わる異例の事態が起きた。理由は「住所」。公職選挙法上、都内に三カ月以上住んでいれば立候補できるが、二人とも家族を都外に残し、都内で単身生活中。「生活の本拠があること」が住所と解釈した場合、同法の立候補資格に違反する恐れがあると判断したためだ。 (原昌志) 「認識不足だった」。今月一日、中央区の出馬予定者を共産党地区役員の桑名文彦氏から、加藤博司氏に替えることを明らかにした記者会見で、同党中央地区委員会の尾坪順委員長は頭を下げた。 桑名氏は、もともと千葉県市川市に住み、中央区内の党事務所に通勤する「千葉都民」。今年三月、家族を市川市に残したまま中央区に住所を移し、事務所に住み込んで選挙戦に臨む予定だった。「単身赴任のような形で構わないと思っていたが…」と尾坪委員長は悔やむ。