新型コロナウイルスのデルタ株の感染が広がり、4月から5月にかけて1日に40万人以上の新規感染者を出したインド。 医療崩壊の危機に医療用酸素や薬品が世界中の国から届けられたが、日本は支援の表明も物資を届けるのも出遅れた。 中国を牽制(けんせい)する重要なパートナーとインドを位置づける日本が、支援に及び腰だったのはなぜなのか。 「インドが世界を助けてきたように、世界がインドを支援しなければならない」 インドのジャイシャンカール外相は4月23日、国際社会に支援を求めた。これはインドにとって異例だった。 インドは2004年のインド洋大津波でも各国からの支援要請を断ったように、災害や危機でも外国に助けを求めることは避け、「大国」として自力で対処してきたからだ。デルタ株の感染力の強さによって、かつてないほどの危機にさらされていた。 「新型コロナの克服に向けて日印で協力を緊密化していくことを確認」。日本