(2012年2月28日付 英フィナンシャル・タイムズ紙) ソニー所属のアーティストたちがグラミー賞を総なめにした2月12日夜のこと。米ロサンゼルスのウエストハリウッドで、スターを多数招いて開催された打ち上げパーティーに出ていたハワード・ストリンガー氏は、どこかほっとしているように見受けられた。 ソニーと契約している英国人シンガーのアデルは6部門を制覇し、ソニーとそのCEO(最高経営責任者)を務めるウェールズ出身の米国人が音楽ビジネスで成功を収めた1年を見事に締めくくった。 苦難続きの1年を経て、CEO退任を発表 ストリンガー氏は昨年、音楽業界の大ベテランであるダグ・モリス氏をソニーの音楽子会社のトップに招いており、英国の音楽大手EMIの音楽出版事業であるEMIミュージック・パブリッシングも大金を投じることなく買収していた。 だが、上機嫌に見えた理由はこれだけではなかった。 パーティー会場の