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書評と戦争に関するbrink004のブックマーク (6)

  • 『それでも、日本人は「戦争」を選んだ 』解説 by 橋本 治 - HONZ

    加藤陽子さんの『それでも、日人は「戦争」を選んだ』は、2010年度の第九回小林秀雄賞の受賞作です。その時に選考委員だった私は、半ば強引にこの作品を推しました。それをしたのは、もちろん、多くの人にこのを読んでもらいたいと思ったからですが、もう一つ、「中学高校生を相手にして講義をする」という形のこのが、叙述の形としては画期的に新しいと思ったからです。 5章の真ん中辺には、こういうことが書いてあります―― 保守的な月刊誌などが毎年夏に企画する太平洋戦争特集などでは、なぜ日アメリカの戦闘魂に油を注ぐような、宣戦布告なしの奇襲作戦などやってしまったのか、あるいは、なぜ日は潜在的な国力や資源に乏しいドイツやイタリアなどと三国同盟を結んでしまったのか、という、反省とも嘆きともつかない問いが、何度も何度も繰り返されています。 「保守的な月刊誌」だけではなく、新聞やテレビも毎年夏になれば「終戦特

    『それでも、日本人は「戦争」を選んだ 』解説 by 橋本 治 - HONZ
  • 『兵士は戦場で何を見たのか』破壊される男たち - HONZ

    2007年、カンザスのフォート・ライリーを拠点にしていた第16連隊第2大隊は、念願のイラク派兵に臨むことになった。指揮官のカウズラリッチ中佐は40歳の勇猛な男で、特殊部隊の兵士としてアフガニスタンでの従軍経験もある。しかしイラク進攻作戦では、彼の大隊は留守番組であった。 士官学校を卒業した多くの士官がペンタゴンで働くことを夢みる。だがカウズラリッチはそれを望まない。軍内部の政治を敬遠し前線で戦うことを常に求める。「兵士の中の兵士」「彼について行けば地獄の底からでも戻ってこられる(後略)」と部下に呼ばれるような気質の男だという。また彼は陸軍に入隊してから今まで、一人の部下も死なせたことがないという経歴の持主でもあった。書はピュリツァー賞経歴を持つジャーナリスト、デイヴィッド・フィンケルが派兵される第2大隊に同行し、兵士たちがどのように崩壊していくかを丹念に取材した従軍記である。 カウズラリ

    『兵士は戦場で何を見たのか』破壊される男たち - HONZ
  • 『兵士は戦場で何を見たのか』 - HONZ

    2007年4月、ワシントン・ポスト紙の元記者でピュリツァー賞受賞者デイヴィッド・フィンケルは、バグダッド東部にあるラスタミヤという、だれも行きたがらないアメリカ軍前線基地に赴いた。そこは、「すべてが土色で、悪臭に覆われ」、「風が東から吹けば汚水の臭いがし、西から吹けばゴミを焼く臭いがし」、「外に出るとたちまち頭からブーツまで埃まみれになる」場所だった。 2007年1月にブッシュ大統領が、「バグダッドの治安維持とイラクの自由のために」さらに2万人の兵士をイラクに送ると発表したのを受け、カンザス州フォート・ライリーを拠点にしていた第一歩兵師団第四歩兵旅団第十六歩兵連隊第二大隊がイラクに派遣されることになった。フィンケルが赴いたのは、この大隊に密着取材し、大隊の指揮官のラルフ・カウズラリッチ中佐を中心に、戦場における兵士たちの実情をレポートするためだった。 そして書(原題「The Good S

    『兵士は戦場で何を見たのか』 - HONZ
  • 『戦場中毒』恍惚感という現実 - HONZ

    新聞社が社員を派遣しない危険地帯に潜り込むフリーランスの戦場カメラマン、横田徹氏の著書である。今年1月のISISによる邦人人質事件の際には、2週間で36テレビ番組に出演し、さらに新聞や雑誌の取材を10受けていたというので、名前を知る人も少なくないだろう。 アフガニスタン、パキスタン、シリア、パレスチナ、リビア、ソマリア、カンボジア、コソボ……。著者が撮影に訪れた場所を挙げるだけで、背筋が寒くなってくる。書かれる戦場事情は、報道ではなかなか伝えられないものが多い。特に、10回以上従軍取材を行っているイラク戦争の実情については詳しく書かれている。 戦場と一口に言っても、その生活環境は場所によって開きがある。最前線の前哨基地では、3度の事はほぼ保存のMREのみ。水道も無いため、体はペットボトルの水で洗うしかない。一方で、最前線や僻地を除けば、アフガニスタンやイラクのアメリカ軍基地では、

    『戦場中毒』恍惚感という現実 - HONZ
  • 『動くものはすべて殺せ アメリカ兵はベトナムで何をしたか』 - HONZ

    ベトナム戦争終結から、今年でちょうど40年。その間、この戦争について多くの研究書や回顧録、ルポルタージュが刊行され、映画もたくさん制作されてきた。もちろん、これを主題とする小説も書かれた。わたし自身も何度かベトナム帰還兵の登場する作品を訳し、この戦争について学ぶ機会を得ている。英日翻訳を専門とする出版翻訳家なら、誰もが一度は向き合わざるをえないテーマかもしれない。 最近はベトナム戦争についてよく知らない若い人が増えていると聞くが、安全保障問題への関心が高まるなか、年配の世代でも、祖国の今後を考えるためにもいま一度、この戦争について知識を整理し直したいとお考えのかたもいらっしゃるだろう。きちんと知るには、フランス、そして日による植民地支配からベトナムの歴史をおさらいすべきだろうが、そんなふうに身構えずとも、ふと目を惹かれたを手にとってみることで、思わぬ興味が広がり、理解が深まることもある

    『動くものはすべて殺せ アメリカ兵はベトナムで何をしたか』 - HONZ
  • 「日米開戦 陸軍の勝算」を読む

    林千勝著「日米開戦 陸軍の勝算―「秋丸機関」の最終報告書』(祥伝社新書)を読んだ。 書の白眉は目からウロコの史実の発掘である。今日の近現代史は「日軍、特に陸軍は無謀な戦争に走った」という見方が定着している。 だが、実は、陸軍は「陸軍省戦争経済研究班」のもと日米欧の経済力と軍事力を徹底的に調査、研究し合理的判断のもと「勝てる戦略」を準備して、開戦に臨んだという。著者の林氏はその歴史的史料を入手し、書で詳細かつ具体的に検証している。 「無謀な戦争突入」という史観は左翼・リベラル系の学者やメディアによってのみ出されているのではなく、保守層の間でも幅広く定着している。その大きな要因の1つに、元都知事の猪瀬直樹氏が1883年に出版した「昭和16年夏の敗戦」がある。 安倍晋三首相の後継を狙う石破茂・地方創生担当大臣(元防衛庁長官)は同書を高く評価、「全日人必読の書だ」と絶賛している。 猪瀬氏の

    「日米開戦 陸軍の勝算」を読む
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