海外に行って時差ボケになると、身体って意外と融通が効かないな~、なんて思いますが、飛行機で何時間も時差旅行するなんて進化上の想定外ですから仕方ないですね。時差ボケは、体内時計と外界時刻のずれによって生じるというのは皆さん聞いたことがあると思いますが、この体内時計って、一体どこにあるどんなものかご存知でしょうか。ここで言う体内時計とは、約24時間周期のリズムのことで、学術的には概日リズム(がいじつリズム)もしくはサーカディアンリズム(circadian rhythm)と呼びます。 実は、概日リズムは細胞の中で作られていて、つまり、ヒトの細胞を1個取ってくると、その中にちゃんと1個の体内時計が存在するのです。哺乳類細胞の場合、時計遺伝子と呼ばれる10数個の遺伝子がお互いの活動を制御しあうフィードバックループを作っていて、ループがひとまわりするのが24時間です。ひとつの時計遺伝子に注目すると、2