不慮の事故について、小児科医で緑園こどもクリニック(横浜市)院長の山中龍宏さんに聞きます。(聞き手・萩原隆史) 子どもの様々な事故の中でも、極めて危険性が高いのが、喉に異物を詰まらせてしまう窒息事故です。窒息状態が5分続くだけで半数が亡くなり、10分たつとほぼ全員が死に至るほど時間が限られているためです。 逆さまにして背中をたたいたり、後ろから抱えるようにおなかを圧迫したりする方法ですぐに異物が出てくればいいのですが、なかなか取り除けないケースも少なくありません。代表的なものがスーパーボールです。 ある日の夕方のことでした。3歳の男児がスーパーボール(直径3・5センチ)を口に入れて遊んでいるのに気づいた母親が、「危ないので口から出して」と叱ったところ、驚いて吸い込んでしまいました。 指では取り出せず、救急搬送先の病院で特殊な医療器具を使って摘出されましたが、病院到着までに40分近くたってお
自宅で「酸素濃縮装置」を使っていた呼吸器疾患の患者らが、死亡する火災が相次いでいる。使用中は酸素濃度が高まるため、少しの火気でも火災につながるおそれがあるといい、うち4割はたばこが原因とみられている。こうした状況を受け、装置に対策を施すことが定められたが、普及には時間がかかるため、国や消防は注意を呼びかけている。 鼻に取り付けられたチューブの先に、たばこの火を近づける。すると5秒ほどで激しい炎が上がった。火はチューブを伝って首の周りへ。チューブの先端から噴き出し続ける炎がシャツに燃え移っていく。 大阪市消防局が注意喚起のため、ホームページで公開している人形を使った実験映像。チューブの先端部分は酸素濃縮装置により、ものを燃えやすくする酸素の濃度が高まるため、こうした火災が起こるという。 大阪では今年6月、酸素濃縮装置の利用者の自宅で火災が相次いで発生した。和泉市では50代の男性が死亡。原因は
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