ある日の暮方の事である。一人の少年が、原宿駅の跡地で雨やみを待っていた。朽ちた柱に蔦の絡みついた、いまにも崩れ落ちそうな原宿駅跡地は、その昔、若人が大勢集う、たいそう賑やかな駅であったという。かつてこの地は「原宿」と呼ばれており、商いで栄えていたそうな。今は広大な荒れ地が広がり、かつての栄華は見る影もない。少年は荒野の真ん中でただ一人きりであった。ただ、所々地面から、かつてのビル群の瓦礫が顔を出している。少年は雨が止むまで、その瓦礫を見詰めて暇を潰すことにした。あれは、セシルマクビー、ピンクラテ、そして…Q-pot CAFE。少年は歴史がたいそう得意であった。 何故原宿がここまで荒れ果てたかと云うと、七十年ほど前、東京には、疫病とか五輪とか不況とか云う災がつづいて起った。そこで人々は住まいをこぞって京都に移し、それに続いて都も移された。およそ二百五十年ぶりの遷都であった。人の消えた東京のさ
東京オリンピック・パラリンピックは、観客を入れて開催する方向で最終調整されることが大会関係者への取材で分かりました。政府は16日、緊急事態宣言などが解除された場合の大規模なスポーツイベントなどについて、1万人を上限とする経過措置を講じることを決めていて、東京大会の観客数も、こうした政府の基準に準じて大会組織委員会や政府、IOCなどが近く会談を開き判断する見通しです。 東京オリンピック・パラリンピックの観客をめぐっては、IOCや組織委員会などが、ことし3月、海外からの観客の受け入れ断念を決め、その後、国内の観客の扱いが焦点となっていました。 こうした中、政府は16日、イベントの開催制限について、緊急事態宣言やまん延防止等重点措置を解除した場合でも、大規模なスポーツイベントなどでは1万人を上限とする経過措置を講じたいという方針を政府の分科会に示し、了承を得ました。 組織委員会の橋本会長は、これ
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