いま、日本では毎月1000本もの新しいCMが作られ、4500本ものCMが放送されているという。その中で人の記憶に残らせるには、資金力にモノを言わせた“大量出稿”がもっとも簡単なやり方だ。最大手は1000億円にも近い総広告費を持ち、数百億の金額をCM(媒体費+制作費)につぎ込む一方、年間の総広告予算30億円ながらCM総合研究所の好感度ランキングで常にトップ10に食い込むCMを創り出すのが生活雑貨メーカーのエステーだ。 『殿様シリーズ』『ムシューダの熊雄』『消臭力』などのCMで高位置を獲得する同社だが、特命宣伝部長の高田鳥場氏は「CMを見てもらうには、上から目線で作ってはダメ。エンターテインメントにしなくてはならない」と語る。 ――エステーは面白くバカバカしいCMを作る傾向がありますが、“面白さ”と“伝えたい売り込みメッセージ”の折り合いはどうやってつけていますか? 高田鳥場:よくエステーのC