国は「支える」もの 「立国は私なり。公に非ざるなり」とは、福沢諭吉晩年の著書「痩せ我慢の説」の冒頭に書かれた一文です。「政治家や官僚は国からお金を貰っているのだから、国家のために尽くし働くのは当然である。しかし一般の国民が、私立の会社や機関が、国家のために貢献しようと努力することこそ尊く、それがあってこそ国家は繁栄してゆく。つまり国を支えてゆくのは、志を持った国民一人ひとりである」と福沢は説いています。 まさしく「国は頼るものでなく、支えるべきである」との信念から、明治新政府からの再三再四の懇願を退け、生涯政府の中に入ることなく、野にいて、民の立場で国を支える立場を貫き通しました。 ところが、今の時代は「国は頼るべきである」という考えが横行しており、何かあると、二言目には「国が何もしてくれないから」と口にするだけでなく「学校が、あるいは企業や組織のリーダーがダメだから」などと独善的・利己的