『渡辺篤史の建もの探訪』が登場してから、地方局なんかでやたら「市井(しせい)の人のこだわりの家を紹介する番組」を見るようになった。 こだわりの住宅建築を紹介する番組なんてどうやろうと同じようなもんにしかならないと思うのだけど、雨後の筍(タケノコ)住宅番組と元祖・渡辺篤史のやつでは、見ただけで明らかにちがうのだ。雨後の筍番組はあからさまに「地元の住宅メーカー」と癒着している。ステキな住宅を紹介するのはあくまで「設計や建築を売るための販促」。そうは見えないようにしていても、全体に漂う「注文建築なのにお値打ち建売感」。水回りとか照明とか業者が決まってるとみた。 ※写真はイメージです ©iStock.com その点、渡辺篤史のは元祖なだけあってどんな家を紹介していても販促感はない。建主の、抑えつつも自慢げな様子をご覧に入れるのが目的だ。なもんで、つい視聴者はいろいろケチつけたくなる。何週か前にやっ