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2022年6月28日のブックマーク (1件)

  • ユートピアを求めることの虚しさ――アンドレイ・プラトーノフ『チェヴェングール』|じんぶん堂

    記事:作品社 アンドレイ・プラトーノフ(1899-1951) 書籍情報はこちら 翻訳者が抱く素朴な願いとしては、『チェヴェングール』という作品をなるべく多くの人に読んでもらいたい。しかし、『チェヴェングール』は明らかに難解な作品である。そこで稿は、作中で重要な意味を持つと感じられたキーワードを解説し、読者の作品理解の一助としたい。取り上げるのは、「作為」と「自然」、そして「虚しさ」の三語である。 書のあらすじ 舞台は20世紀初頭のロシア。1917年のロシア革命を挟んで激変する社会の中で、革命の意味やより良い生を求めて試行錯誤する人びとが描かれる。 ロシアのある農村で工作物の修繕をしていた職人のザハール・パーヴロヴィチは、飢饉に見舞われた村を出て、町で鉄道修理工として働きはじめる。彼はそこで同郷の孤児アレクサンドル(サーシャ)を発見し、引き取ることにする。サーシャは、死への興味に取り憑か

    ユートピアを求めることの虚しさ――アンドレイ・プラトーノフ『チェヴェングール』|じんぶん堂