分裂症者は、資本主義の極限に位置する。彼は、資本主義の発展の傾向であり、その剰余生産物であり、そのプロレタリアであり、皆殺しの天使である。彼はあらゆるコードを混乱させ、欲望の脱コード化した流れをもたらす。 ――ドゥルーズ=ガタリ『アンチ・オイディプス』*1 「女は〈ダンディ〉の反対だ」*2というボードレールの愚説を華麗に覆した女性がいる。だれもが知っているファッションブランド「CHANEL」の創業者、ココ・シャネルだ。 女性のショートヘア、ハンドバッグに肩紐をつけたショルダーバッグ等々、シャネルが現代ファッションに及ぼした影響は枚挙に暇がないが、レディーススーツの発明も彼女の功績の一つに数えられている。1923年のパリコレクションで彼女が発表したツイード素材のスーツが、そのはじまりだそうだ。 シャネルは自分のことについて、「彼女が人生においてしたことは、ジャケット、髪、ネクタイ、手首といっ