売れる前のキラー・カーンと 三波春夫ちょっといい話 三橋の老残に己の老いを重ねて語る なにせ「”歌謡グループ”だ何だとくると、家元はマヒナスターズまででもうダメ」という次元なので殆ど知らない歌の話ばかり、それでも家元の語り口ですいすい読めます。昨今のネットで調べてるような輩と違って全部自分の記憶だからと家元。こんな調子。 ”何で戦後はカムバックしなかったんですか、唄わなかったんですか”に、小野巡さん、好々爺のあの顔で、”あたしは軍事歌謡が多かったもんですから、戦後はもう精根つきた””もう私の時代[イメージ]ではない”と答えたが、戦前、姓は大山、名は巌〜……の『祖国の護り』を唄って一発目でヒットさせ、以後順調に『涯なき泥濘』『西湖の月』『音信はないか』『開かぬパラシュート』『円タク行進曲』、皆全部唄える。 淡谷さんがなぜコロムビアをやめてビクターに行ったのか。二葉あき子の『夜のプラットホーム