ロシアのクリミア編入は許されない暴挙である。欧米諸国も、しぶしぶとはいえ安倍政権も、自民党も共産党も、朝日新聞も産経新聞もすべてロシアを非難しているが、当然である。クリミアにロシア系住民が多いことや、ウクライナの暫定政権に極右勢力が入り込んでいることなどは、何らロシアのクリミア編入を正当化する理由にはならない。前者は「現在クリミアにロシア系住民が多いのは何故か」という疑問をまず持ち、クリミアにおける少数民族の立場に思いを致すべきだし、後者については、ウクライナの極右勢力とプーチンの両方を非難すべきだろう。 クリミアは古くから戦争の地だった。その歴史には対立する民族や宗教の激しいせめぎ合いが刻み込まれている。また、前世紀の歴史を振り返っても、なぜフルシチョフがクリミアをウクライナ領に編入したかというと、それは前任者のスターリンという、他にヒトラー、毛沢東やポル・ポトなどごく少数の人間しか比較