安倍談話は注目された「侵略」「植民地支配」「痛切な反省」「心からのおわび」について、首相自らの歴史認識はあいまいにしつつ、言葉を盛り込む手法をとった。「私は」という主語を使い、首相の謝罪意思を明確にした村山・小泉両談話の姿勢とは大きく異なる。戦後の歩みで中国の「寛容」に触れて配慮を示す一方、慰安婦問題は明記せずに「女性の人権」を強調する表現となった。 約3300文字に及ぶ安倍談話は、「侵略」や「植民地支配」というキーワードについてこう言及した。 「事変、侵略、戦争。いかなる武力の威嚇や行使も、国際紛争を解決する手段としてはもう二度と用いてはならない。植民地支配から永遠に決別し、すべての民族の自決の権利が尊重される世界にしなければならない。先の大戦への深い悔悟の念と共に、我が国はそう誓った」 この表現は有識者会議「21世紀構想懇談会」が提出した報告書に沿う。報告書は「満州事変以後、大陸への侵