増田で『老子』もしくは『魏書』を引いている投稿があったので、久しぶりに『老子』の原文に触れた。 「大器晩成」っていつも疑問で、漢代以降の「大人物(あるいは大事業)は時間をかけて完成するのだ」的な解釈でもいいんだけどさ。 最近、古い文字資料が出てきて「大器免成」と書かれてて、「大器」は成立することを免れる、だから成立しないのだ、なんて逆の解釈することもある。 この新解釈は耳目を引きがちだが、それゆえに、取ってつけたような印象を受ける。 老子の原文、「大器晩成」がある辺りはおんなじような文構成になっている。 明道若昧。進道若退。夷道若纇。上徳若谷。大白若辱。廣徳若不足。建徳若偸。質眞若渝。大方無隅。大器晩成。大音希聲。大象無形。 明るい道は暗きがごとし。 道を進んでいるようで退いている。 高い徳は谷のように深く。 大いに白いものは辱(よご)れているように見え、 広い徳は、足りていないように見え