12月6日夜、市ヶ谷の私学会館で保坂正康さんの新刊『ナショナリズムと昭和』の出版記念会が開かれた。参加者は250人ほど。 そこで、発起人代表として文藝春秋松井清人社長が挨拶したが、これが驚くべきものだった。「極右の塊である現政権をこれ以上、暴走させてはならない」。現政権、つまり安倍政権を「極右の塊」と批判したのだ。「暴走」と難じたのだ。 お断りしておくが、朝日新聞の社長ではない。文藝春秋の現社長がこう言ったのだ。 「メディア自体がおかしくなってしまっている」とも言ったという。むろん、保坂さんの出版記念会だから、保坂さんへのリップサービスということもあろう。しかしそうだとしても、度がすぎる。 僕自身はこの会に出ていないが、出席者の一人にそう聞いたので、何人かの出席者に確認して確認した。 出席していた元文藝春秋専務の半藤一利さんもこう言ったという。 「昔は反動と言われていた私が今や、極左と言わ