ブラック企業は、日本経済が過去10年間で生み出した最大のイノベーションです。その“功績”は、最低賃金とサービス残業で正社員を徹底的に使い倒し、アルバイトを雇うよりも大幅に人件費を節約して驚くような低価格を実現したことです。 もちろん、サービス残業は労働基準法に照らせば完全に違法です。それではなぜ、こんな法律違反が「法治国家」であるはずの日本で“放置”されているのでしょうか? ところで、法はあらゆる人間関係を平等に規制するわけではありません。 店先のお菓子を勝手に取って食べれば万引きですが、友だちのお菓子ならいたずらです。法は人間関係が疎遠なほど強い影響力を持ち、近しくなるにつれて効力を失い、家庭内では民法や刑法が問題になることは(ふつうは)ありません。ここに、日本の会社の遵法意識がきわめて低い理由があります。 日本では、会社は“イエ”と同じで、経営者と従業員(正社員)は運命共同体だと考えら
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