定職につかず、親に対して金銭を要求。さらに勝手に親を保証人にして借金をつくったり、気に入らないことがあると親を殴ったり。こうしたドラ息子の存在に、頭を悩ませている親も多いだろう。 家から叩き出して、二度と敷居をまたがせなければいいという考えは短絡的だ。たしかに親子でも、訴訟を起こして部屋の明け渡しを請求することはできる。また勝手に自宅を荒らされたら、不法侵入で刑事告訴も可能だ。ただ、直系血族および兄弟姉妹は互いに扶養する義務がある(民法第877条)。親子間も扶養義務があるため、何らかの事情で働けない子供を家から追い出したら、息子側から扶養の申し立てをされる恐れもある。 鍵になるのは手切れ金だ。じつは扶養義務といっても、成人の前と後では義務の程度が異なる。未成熟子(未成年の子)に対する扶養義務は、親と同等の生活をさせる「生活保持義務」。一方、成人した後は、親がゆとりのある場合に最低限の生