(6)哲学書の一節 曲解 「死ぬつもりならなにしても」 ぼく:死ねばすべてが終わるのか…。 猫:死刑以上の重罰はないだろ?つまり、世の中は死ぬつもりなら、なにをしてもいいって、暗に認めているってことなんだよ。認めざるをえないのさ。 哲学者の永井均・日大教授が中高生向けに哲学をやさしく解説した「子どものための哲学対話」(講談社刊)の「死について」の一節だ。金川真大被告(25)は「この本を読んでより運命を深く考えるようになった」と打ち明けた。 1997年に発刊された哲学対話は「生徒の教育にふさわしい」と全国学校図書館協議会の選定図書にも選ばれている。「善と悪を決めるもの」など「ぼく」が発する40の根本的な問いに、猫の「ぺネトレ」が新たな視点を示しながら対話形式で進む。冒頭の一節に共感を覚えたという金川被告。被告を知る関係者は「(殺人を正当化する)彼の理屈そのもの」と驚く。 哲学の分野から「殺人