2016 - 03 - 05 赤い花はただ魅惑的で、ちょっとめまいがした。 あ。 そう言えばね こんな時計をかつて持ってた。 いつ頃の話? そんな存在すら忘れてたみたいだ。 残念なことに時計の針は そっか自分で止めたんだっけ‼ 森は夜明け前 まだ暗かったのだけど とりあえずは 動かない時計を右手にはめ 何だかよくワカラナイまま 歩いてみることにした。 「どうしよ」と迷い 針を巻き戻してみると 拒絶反応をおこして こわれそうになる。 「それならいっそ」 無理に針をすすめると 「ちょっと待ってよ」 時計の針はあわてて言う。 コトバなく歩いていると 泉のそばにかつての少年がいた。 どこか淋しげな少年は 赤い花を一輪、私にくれた。 赤い花はただ魅惑的で ちょっとめまいがした。 「・・宴がはじまるの?」 月光の森に隠れてた コロポックル たちが踊りだし それぞれ手にした楽器で 演奏をはじめると