今年の春闘も政府が民間企業に賃上げを促す4年目の「官製春闘」となった。ただ、17日に経団連が発表した経営労働政策特別委員会(経労委)報告には、経済界から政府への要請が盛り込まれる異例の内容となった。 方針の中では「過去3年連続での賃上げ実現にもかかわらず、将来不安が根強くあり、生活防衛的なマインドと相まって、個人消費は力強さを欠き、経済の好循環を十分実感できない」と現状を分析。その上で、将来不安の解消を政府に強く求めた。特に、社会保険料などの法定福利費の増加率は、賃金の伸びを大きく上回っており、社員の手取り賃金の減少につながっていると指摘した。 要請では「国民の痛みを伴うものであっても、持続的な社会保障制度の確立に向けた改革」を求めたほか、賃上げが消費拡大につながる環境整備を求めた。