――『non・no』の主要読者は20歳前後の、「サトリ世代」とも言われる層ですね。モノを買わない、外に出掛けないなど、保守的で意欲が低い世代と言われることもありますが、湯田さんから見ると、この年代の女子はどのような人たちでしょうか。 サトリという言い方は、私には少し違和感がありますね。5年くらい前、この世代が高校生だったときは、ギャル雑誌がすごくはやった時代でした。思いきりギャルを楽しんでいた子たちが、大学生や社会人になって、巧みに眉毛を太く生やし、ナチュラル系ファッションに身を包んで、再デビューをしているんですね。 彼女たちがギャルだった高校生時代に目指していたものは、おそらく自分ではない、他者だったのではないかと思います。でも今は、その目指すものが自分自身の中にある。向上心がなくなったとか、そういう感覚とは少し違って、今の自分の延長でもっとかわいくなりたい、人から好かれたいという感覚で