北海道新幹線の新青森―新函館北斗間の開業からもうじき3カ月が経つ。乗車率は低迷したままだが、これは予想の範囲内だ。大都市間を結び、大量の利用客を運ぶという新幹線本来の機能が発揮されるのは2030年度の札幌延伸を待つ必要がある。 ただ、ここまで低迷しているのは、終着駅が大都市ではないからという理由だけでは説明がつかない。所要時間の長さも要因の一つである。東京―新函館北斗間の最短所要時間ですら4時間2分。新函館北斗から函館市内へはアクセス列車を利用する必要があり、さらに時間がかかる。 一般的に、航空機から新幹線に客がシフトするのは所要時間が4時間以内の区間であるとされる。人口190万人の大都市である札幌が沿線に加われば、通常、需要は一気に拡大する。しかし、現行ダイヤから想定すると東京から5時間近くかかる。これでは航空機から客を奪うなど夢物語だ。 すれ違い問題は長年指摘されてきた 時間短縮を阻む