東京・世田谷区が地域の歴史をまとめた「区史」を編さんする事業をめぐり、編さん委員となっている専門家の1人が、区から著作権の譲渡を求められたのは「行政による無断の書き換えにつながる」として抗議する会見を開きました。 世田谷区は「趣旨から大きく外れた文章が出てきた場合に修正があることを考えた。歴史を改ざんする意図はない」としています。 世田谷区は区政施行90年を記念して地域の歴史をまとめた「区史」を発行する計画で、歴史の専門家や学芸員およそ40人が編さん委員になっています。 委員の1人で中世の歴史が専門の青山学院大学谷口雄太准教授によりますと、ことし2月ごろにかけて区から著作権の譲渡と著作者の意に反して内容を変えられない権利=「著作者の人格権」を行使しないよう求められたということです。 区からは話し合いが打ち切られ、このままでは新年度の委員はできず、執筆ができない可能性が高いということです。