「ニューアンメルツヨコヨコA」「トイレその後に」「熱さまシート」「消臭元」などの商品名は知っていても、そのメーカーが小林製薬と知っている消費者は少ないのではないだろうか? 同社は「医薬品も製造しているトイレタリーメーカー」(業界関係者)。トイレタリー製品の売上比率は同社売上全体の83%(2012年3月期)を占めている。ライバルのエステーやP&Gと比べ、社名の知名度は著しく低いが、商品の知名度はライバルをはるかにしのぐ。小林製薬は「かゆいところに手が届くようなアイデア商品を開発し、その商品の特徴を一言で言い表すような名前を付けて発売し、人気商品を量産してきた」(業界関係者)結果だ。 ●安打狙いの戦略 経営的にも安定している。昨年の東日本大震災で仙台工場が被災、操業一時停止の被害を受けたにもかかわらず、12年3月期は14期連続の純益増を記録している。 同社が人気商品を量産している秘訣は、意外に