ブックマーク / brevis.exblog.jp (9)

  • 『特殊病』それは日本の病気です | タイム・コンサルタントの日誌から

    自分のプロフィールに「国内外の製造業及びエネルギー産業向けに、工場作り・生産システム構築の仕事に従事してきた」などと書いているためか、「日の製造業は、海外に比べて特殊なのですか?」という趣旨の質問をされることが、時々ある。「なぜ日海外はこうも違うのでしょうか?」といった聞き方の場合もある。 こうした質問は、日海外で同等なはずのものが、なぜか違っていた、との事例とともに、語られることが多い。例えば、同じ企業のグループに属しながら、生産管理系のパッケージソフトを、海外工場ではノンカスタマイズでスムーズに導入できたのに、国内工場では苦労したあげく、失敗したという事例。あるいは、国際標準に従ったサプライチェーンの仕組みが、日国内だけどうしても使えなかった事例。 さらに、国内では立派なプロジェクトマネジメントの実績を持つ会社が、海外に出て行って遂行したら、赤字や納期遅延で痛手を被ったケー

    『特殊病』それは日本の病気です | タイム・コンサルタントの日誌から
    call_me_nots
    call_me_nots 2023/08/18
    たしかに「ウチは特殊だから」と言うタイミングって、思考の放棄を同時に宣言してることちょいちょいあるよね→“わたしは、『抽象化』能力を育てることの方が、現代の日本企業には必要ではないかと考えている”
  • プロジェクトを計画しすぎてダメにする方法 | タイム・コンサルタントの日誌から

    「日企業は、計画しすぎなんです。」——最近、ある外資系戦略コンサルタントから、こんなセリフを聞いた。いわゆるDXに関する話題の時だ。「計画して、それも細かく緻密な計画を立てて、石橋をたたくようにリスクを全て洗い出してから、はじめようとします。そして動き出したら、すぐ進捗率を問題にする。でも、そんなやり方では、イノベーションは動きません。」 たしかにまあ、日企業、とくに製造業は、まず計画ありきで動いていると言ってもいい。年度計画(いわゆる「予算」)、月度計画、小日程計画・・。建設業も、似たところがある。全体工程表、月間工程表、週間工程表、等々。現場に行くと、計画表は、必ず目立つ位置にはり出してある。 だが、新しいビジネスモデルを創出するような、イノベーティブな試みは、目指すべき目的地が最初から決まっている訳ではない。登るべき山の頂が明確なら、アプローチの経路を地図の上に引き、どこまで登っ

    プロジェクトを計画しすぎてダメにする方法 | タイム・コンサルタントの日誌から
  • とれるだけ仕事をとってはいけない : タイム・コンサルタントの日誌から

    最初に、損益分岐点の説明からはじめよう。企業は、製品やサービスを売って売上を得る。しかし、世の中にタダの物はないので、そこには必ず費用(原価)が発生する。その費用が製品の販売数量に単純に比例する場合、企業は売上に比例した利益を得ることになる。この関係を図(a)に示す。横軸は、売上である。工場の視点から言うと、売上向上すなわち稼働率向上を意味するから、横軸は稼働率と見てもよい。縦軸は金額で、実線が売上高を、点線が費用を示す。費用は純粋に、売上高に比例する。これを変動費ともいう。売上に伴って、変動するからである。たとえば製品を作るのに必要な原材料の購入費がそうだ。あるいは、製品を加工するための外注費などもそうだ。 ところが、企業にはこれとは別に、売上高にまったく関係なく、固定的に発生する費用がふつうある。これを固定費という。その典型例は、設備機械の減価償却費である。あるいは、従業員の給料なども

    とれるだけ仕事をとってはいけない : タイム・コンサルタントの日誌から
    call_me_nots
    call_me_nots 2015/03/05
    損益分岐点のベーシックな議論に製造リードタイムコストを付加して危険稼働率を表現するテスト。
  • パラメトリックな作業量の見積とは | タイム・コンサルタントの日誌から

    工場における製造設備の能力はふつう、『時間』で測る、というと驚く人がよくいる。製造能力というのは、1分何個とか、1時間何台とか、1日何トンとか、数量で測るのが当たり前ではないか。そう、思うのだろう。たしかに、ある特定機械の単機性能を比較するなら、それでいい。しかし、複数の製品を生産する工場全体の能力計画を立てるときには、それではうまくない。工場内には、大きさも複雑さも異なる部品・材料・製品が同時に数多く流れているからだ。同じ機械が、小部品なら時間10個作れるが、大部品だと3時間で1個しか作れなかったりする。そんなときに、部品の合計個数で計算したって、ネズミ1匹とゾウ1匹を合計2匹と足し算するようなもので、意味がない。 だから工場の能力計画では、逆に作業時間(機械設備の占有時間)に換算して、足し算するのである。たとえば今日はこの機械で、ネズミ部品30個と、ゾウ部品4個を加工しなければならない

    パラメトリックな作業量の見積とは | タイム・コンサルタントの日誌から
  • 原価の秘密 - なぜ、黒字案件だけを選別受注すると赤字に陥るのか | タイム・コンサルタントの日誌から

    かつての古き良き時代、右肩上がりの高度成長の頃は、なにごとも単純明快で分かりやすかった。製造業は、生産量を上げることにひたすら邁進した。「作れば売れる」時代だったからだ。昭和40年代や50年代の日企業の多くは、欧米先進国から技術を導入しつつ、自分でもそれを改良し、使いこなしていった。その時の工場運営でキーとなる指標が、機械の稼働率だ。 たとえば、あなたの会社が3億円の大枚をはたいて、海外から高価な製造機械を導入したとしよう。15年間の寿命を想定すれば、減価償却費は毎年2千万円だ。それでも、旧式の機械+手作業に比べれば数倍以上の生産能力を上げられるし、より高品位な製品も作れる。だからソロバン勘定に合うはず、と考えて導入に踏み切るわけだ。 当然ながら、社長は工場長に対して、この機械を最大限活用しろ、とハッパをかける。機械は動いていても止まっていても、同じ減価償却費がかかる。だとしたら動かさな

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  • プロジェクトは失敗するものである、という英国人の思想 | タイム・コンサルタントの日誌から

    1993年3月、ロンドン証券取引所は、ビッグバンを背景に7年にわたって進めてきた、株式取引決済システム「トーラス」開発プロジェクトの中止を発表した。証券取引所はすでにこの事業に8000万ポンドの費用を投じており、人件費を含むシティ(ロンドン金融街)全体の投下コストは、総額5億ポンドに上っていた。証券取引所のP・ローリンズ理事長は、責任をとって辞任する。 「トーラス」は、株式売買のバックオフィス業務である株式決済処理の電子化・効率化を目的とした、英国金融界の共同事業で、中心的な推進役はロンドン証券取引所であった。トーラスは米国のパッケージソフト「ヴィスタ」をベースに開発されることになっており、来ならば、'91年10月に稼働しているはずだった。それは一度、'92年夏に延期されていた。しかし、中止決定時点では'93年中の稼働すら危ぶまれる状況だった。 ちなみにこのプロジェクトは、ローリンズ理事

    プロジェクトは失敗するものである、という英国人の思想 | タイム・コンサルタントの日誌から
    call_me_nots
    call_me_nots 2014/07/07
    "自分はまだ一度も歩いたことのない道なのに、この先に何かがありそうだと察知するような能力のことを、インテリジェンスとよぶ"
  • 書評:世界の経営学者はいま何を考えているのか 入山章栄 | タイム・コンサルタントの日誌から

    世界の経営学者はいま何を考えているのか――知られざるビジネスの知のフロンティア 「ドラッカーなんて誰も読まない!? ポーターはもう通用しない!?」 --これが書の帯の宣伝文句だ。著者の入山氏はニューヨーク州立大学バッファロー校(ビジネススクール)の助教。2008年にピッツバーグ大学でPhD(博士号)をとったばかりの、新進気鋭の経営学者である。 ドラッカーなんて米国の経営学では完全に過去の人だ、というと、日ではやはり驚く人が多いのだろうか。最近もドラッカーに女子高生をかけあわせたがベストセラーになったばかりだし、彼のは古くから広く読まれ、「ドラッカー学会」まであるくらいだ。(ドラッカー自身も日が好きだった) もちろん、ドラッカーがマネジメント研究の先駆者であることは確かである。しかし、ドラッカーはウィーン出身の人だけに、発想の根が非常に『中欧的』である。たとえば「企業は基的に社

    書評:世界の経営学者はいま何を考えているのか 入山章栄 | タイム・コンサルタントの日誌から
  • 組織におけるリーダーシップと自由度のトレードオフ | タイム・コンサルタントの日誌から

    たしか懇親会の席だったと思う。わたしは近くに座り合わせた、ある大企業の社員とあれこれ議論をかわしていた。若手の技術者で、知的な人だったが、会社の業績が最近伸びずにいることに問題意識を持っていて、どうすべきか回りの意見を聞きたがっているようだった。そして、「結局のところ、戦略が欠落しているのですよ、ウチの会社は。経営者のリーダーシップ不足だ。そう思いませんか!」と訴えるように叫んだ。 わたしは、多少のお酒のせいもあってか、皮肉めいた気持ちになってたずねた。 --戦略不在だとおっしゃる。なるほど。それじゃあ逆に質問しますが、貴方は上司が“右向け、右”と言ったら、右を向きますか? すると彼はちょっとだけ考えてから、 「いや、そうとは言えませんね」 と答えた。彼は会話の中で、直属の上司の考え方や方針にも批判的だったのである。 わたしはさらに言った。 --もしそうなら、少なくとも貴方ご自身は、上司

    組織におけるリーダーシップと自由度のトレードオフ | タイム・コンサルタントの日誌から
    call_me_nots
    call_me_nots 2012/06/18
    相変わらずの良記事
  • ゾウの戦略・ネズミの戦略 | タイム・コンサルタントの日誌から

    先日、コンサルティング会社の方の訪問を受けた。日の化学産業の課題について、エンジニアリング会社の視点から意見を聞きたいのだという。難しいテーマだが、何かヒントになることくらいは言えるかもしれないと思い、同僚と一緒にヒアリングを受けることにした。 相手は若くて優秀そうなコンサルタントの方が2名だった。まず先方が、自分達の考える仮説です、と前置きして、見解を述べられた。日の化学会社は、いわゆる汎用化学品の大量生産から、機能性材料や医薬・農薬原材料などの高付加価値な化学品の生産にシフトしている、という。さらに、国内の限られた市場から脱して、海外展開する方向に向かっている。だから、これからは海外で高付加価値製品を作る化学プラントを建てていくだろう、との仮説をたてています、という。 ここで知らない方に注釈しておくと、化学業界では、汎用化学品をバルク・ケミカル、高付加価値の化学品をファイン・ケミカ

    ゾウの戦略・ネズミの戦略 | タイム・コンサルタントの日誌から
    call_me_nots
    call_me_nots 2012/03/13
    良記事
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