謎シリーズというわけではないが、今回は日銀の『外貨資産』について。まあ、謎というかその由来についてである。先の電子決済化・銀行券消滅に関するエントリーで日銀バランスシートに興味を持った方がいるかもしれないので、ちょっと補足的に説明したい。実は、外貨資産をめぐる謎は3年程前に明らかになったのが、当時それほど大きく報道されなかった記憶がある。それもあって改めて紹介したいと思う。ご存知の方はスルーして欲しい。 日銀資産には「外国為替」という項目が当たり前のように存在する。日銀に来てしてしばらく経ったころ、私は「なぜ外貨資産があるのだろう」と疑問を持った。日銀は外貨を全く操作していないし、外貨資産を持つ動機もなかったからだ。日銀幹部らに聞くと、「歴史的な経緯で保有している」と答えるだけで、私にはこの“経緯”が一種のミステリーのように思われた。戦前持っていた外貨資産の名残り?、しかし敗戦国の中央銀行