人員削減、成果主義の導入、非正規雇用者の活用…。1990年代初頭のバブル崩壊以降、日本企業はそれまでの雇用慣行にメスを入れることで激しい環境の変化を生き延びた。その一方で、日本企業の競争力の源泉、社員に深刻な危機が訪れる。日経ビジネスが描いた日本経済の40年、かつて「気楽な稼業」と流行歌に歌われた世界に訪れた変化は今も経営の大きな課題だ。 トヨタは既に気づいている。 10月16日、愛知県豊田市。トヨタ自動車本社工場にほど近い雑居ビルで、ある研究会の第1回会合が開かれていた。 トヨタ自動車やデンソー、アイシン精機などトヨタグループ中核6社の人事担当者と組合幹部が集まった研究会。そのテーマは「グローバル化時代のホワイトカラー職場マネジメントのあり方」である。 1988年以降、トヨタグループは中部地区の主要企業と連携し、産業や労働、雇用などの研究を進めてきた。労使の代表が集う研究会の舞台となって