おまえらは通販でものをたのむ、すると緩衝材に茶色の長い長い紙が入ってくる よくしわをのばしてみるとそのひと連なりのワンピースにはところどころミシン目が入っている おまえはシワを伸ばしてミシン目にそってアコーディオンまたはつづら折りのようにその長い紙をたたむ そして折山が一箇所にたまったあとおもむろに手をぬらしてその山をなぞり ばりー!ばりー!とミシン目をひきさく これが江戸から日本の汚れ物を担いつづける「反故紙」だ なおプロレスラーが電話帳やジャンプを派手に引き裂いてみせるのももともとはこの反故紙が目当てだ(民明書房) おまえはハンバーグをつくる 手でひき肉を練るとおいしいが手はネチョネチョになる そんなときは反故紙で手をよく拭う 水栓もさわれるようになるしあとは手に優しい食器用洗剤を一たらしして普通に手をあらえばさっぱりだ 反故紙は再生後であって再再生しづらいため近い未来燃やされる紙だ
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