全国各地の学校が所蔵する昔の教科書や土器などの考古資料、地域住民が寄贈した農具などが、統廃合や災害を機に廃棄、散逸の危機に直面している。こうした学校資料には文化財的価値を有したものや地域史を語る上で重要な“お宝”が含まれている。今春、関西を中心に活動する考古学や教育史、博物館学などの専門家が初めて分野の枠を超えて研究会を結成。保存・活用の対策に乗り出した。【林由紀子】 「学校資料研究会」で、メンバーは博物館学芸員や大学教授、図書館職員など16人。佛教大大学院生の一色範子さん(35)が代表となって呼び掛け、4月末に発足した。月1回、非公開の勉強会を開催。2年後の刊行を目標に、専門知識のない教員でも学校資料を授業で活用することを目指したハンドブックの作製などに取り組む。